富岡 鉄斎

.この鉄斉の絵のインスピレーションは、有名な写真から得た。写真には非常に年老いた鉄斉が座っているところが写っている。その写真から彼の部屋を読み取る。彼は薄い白いあごひげをはやしている。単純な着物と古風な黒い帽子を身につけている。部屋は冷えている。彼は火鉢のそばに座っている。畳はすり切れ、墨のしみがついている。部屋は本でいっぱいである。鉄斉は静かに小さく座っている−彼が描いた、獅子の巣の中で幸せそうに暮らしている中国の年老いた隠者のように。

彼は一人で写真に写っている。しかし、もちろん彼は一人ではなかった。その部屋には、過ぎ去ろうとしている過去を捉える現代の機械、カメラもあった。

私は、この鉄斉の絵の上に英語で二、三の言葉を書いた。鉄斉の日本語より現代の私の英語がわかる日本人の方が多いとは皮肉なことである。


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